妖しくも美しい秋の使者:曼珠沙華(彼岸花)の秘密に迫る
2025/09/29
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こんにちは
今回は、彼岸花について書いていきたいと思います!
少しずつ暑さが和らいできましたね
最近、あぜ道や土手、墓地などを真っ赤に染め上げる、あの一際鮮やかなお花をご存知でしょうか
そう!彼岸花(ひがんばな)ですね
毎年お彼岸の頃に、突然地上に現れたかのように咲き誇るその姿は、辺り一面真っ赤で、とても印象的だと思います
(地面の温度が下がると咲いてくるそうなので、今年はお彼岸より少し遅く咲き始めたように思います)
今回は、この妖しくも美しい秋の使者、彼岸花、別名「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」の持つ不思議な魅力と秘密に迫ります。
1. 「葉見ず花見ず」の不思議な生態
彼岸花は、花と葉が同時に存在しない「葉見ず花見ず」という特徴があります。
最大の特徴は、その独特な成長サイクルにあります。
・葉がない状態で、にょきっと花茎だけが伸び、鮮やかな花を咲かせます。
・ 花が枯れると、今度は青々とした葉を伸ばし始めます。
・冬から春に、 葉は冬の寒さにも負けず茂り、光合成で球根に栄養を蓄えます。
・初夏に葉が枯れ、夏の間は休眠に入ります。
このように、「花があるときには葉がなく、葉があるときには花がない」ことから、「葉見ず花見ず」という別名で呼ばれることもあります。このすれ違うような生態は不思議ですね
2. 恐ろしい毒と意外な用途
彼岸花は美しい見た目に反し、全草、特に球根(鱗茎)に強い毒性を持っています😱
主な毒成分はリコニンなどのアルカロイドという毒性物質が含まれています💦
誤って口にすると、嘔吐や下痢、中枢神経の麻痺などを引き起こす危険性があります😱
そのため、昔の人々は、この毒性を利用して様々な対策を行ってきました。
【昔の人々の知恵】
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害獣避け: 毒を嫌うネズミやモグラが田畑を荒らさないよう、あぜ道や土手に植えられました。
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墓地の守り: 墓地にも植えられることが多く、これも同様に土葬した遺体を動物から守る役割がありました。
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非常食: 毒を何度も水にさらして抜き、デンプンを取り出すことで、飢饉の際の非常食として利用されていたという記録も残っています。
毒があるからこそ、人々の生活圏の近くに植えられ、結果として秋の風景を彩る花となったのは、なんとも皮肉な歴史ですね
3. 別名「曼珠沙華」が持つ意味
彼岸花には、その生態や毒性、咲く場所などから、「死人花(しびとばな)」「地獄花」「狐の松明(きつねのたいまつ)」など、なんと1,000以上もの別名があると言われています
しかし、その中でも最も有名な別名が「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」です
これはサンスクリット語で「天界に咲く花」を意味し、「めでたいことが起こる兆しに天から降ってくる赤い花」として、仏教の経典に登場する非常におめでたい花だそうです
「彼岸(あの世)」に咲くというイメージからネガティブな印象を持たれがちですが、「曼珠沙華」という名には、とてもポジティブな意味が込められていますね
4. 赤だけじゃない!彼岸花の色
彼岸花といえば、鮮やかな赤が一般的ですが、白や黄色、ピンクの品種もあります
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シロバナマンジュシャゲ: 白い彼岸花。赤い彼岸花との交配種とも言われています。
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ショウキズイセン: 黄色い彼岸花。
園芸品種を含めると、リコリスという総称で呼ばれ、より多様な色や形を楽しむことができます
群生する真っ赤な彼岸花も圧巻ですが、白い彼岸花がひっそりと咲いている姿も、また違った趣がありますよ
【今日の花言葉】
彼岸花の花言葉には、「情熱」「独立」「再会」「悲しい思い出」などがあります
彼岸花を見かけた時に、この記事の事を思い出してもらえると嬉しいです